2013年2月4日

Nature 7431 7433 7434 (郷原さん)
1
インスリンレセプターのフラグメントの結晶構造を解いた話。レセプターに結合する事でインスリンの構造そのものも変化する事をちゃんと示したのが新しいらしい。

2
ヘリコバクターピロリのproton gated ureaチャネルの結晶構造を解いたという話。六量体をとっており、W153の変異で選択性が変わるらしい。ヒトのと違ってチャネルが一方向性だとか。

3
V1-ATPaseの構造の話。A3B3(回転する部分)のヌクレオチド有り無しでの構造、さらにDF有りでの構造を解いて、empty->bound->tightの構造モデルを出していた。きれいな構造とそれに基づいたきれいなモデルだった。

Science 6117, 6118 (朱さん)
3
神経シナプスでのシナプス小胞の小胞開口の話。Munc18,13がどう関わっているのかを示したのがたぶん新しいのだと思う。

5
神経軸索をSTORMで観察したところ、Spectrinに沿った等間隔なActin ringが観察された。単に軸索構造を取るために重要なのか、神経機能に重要なのか。とりあえずこんな構造を取っているとは驚きである。あと写真がきれい。

PNAS 25 36 49 (小嶋さん)
9869
E.coli一匹のadaptationの話。マイクロスケールの流路中を光ピンセットで菌体を移動させる事で溶液置換よりも速く細胞外環境変化させる事ができるという実験系を使って、runとtumbleを詳細に観察し、adaptationへのstep up、adaptationからのstep downにかかるevent数などに対する走化性物質の濃度の関係性を調べていた。が、観察された現象のための分子メカニズムについてはまだ上手く説明できていないらしい。

10036
グライディングで動くミクソコッカスが分泌するslimeを顕微鏡下で可視化できる様にした上で、菌の速さとslimeの分泌量には比例性がない事を示した。「slimeは動き出すのに必要なのかもね」と本間先生がおっしゃっていた。

20018
べん毛モーターの回転方向のadaptationが、モーターにおいてFliMの数によって行われているという話。CWではFliM34個、CCWでは43個らしい。CheYが無い状態でCWのFliG変異株を使っているとの事で、よくデザインされた実験だと思う。

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