2013年6月17日

Nature 米田さん
#7447
1,2 GPCRのシグナルを止めるβ-アレスチンについて
活性型アレスチンの構造を解くことができたという話。1の論文ではアレスチン特異的な抗体で釣ってくることで活性化因子(V2Rpp)との共結晶を解けた。2の論文では不活性状態を保つC末を削ることで解けた。不活性型から活性型への構造変化が2つの論文で類似していたことから、このデータの信頼性が上がっているように思えた。やはりこのような成果は新薬開発に繋がるのであろう。

#7448
3, F. novicidaにおける新しいCRISPR/Casシステム
野兎病菌と関わりがあるF. novicidaで、自身のリポ蛋白質(FTN_1103)の発現を抑制することで、免疫システムを回避して、感染することができるようになるという話。なぜわざわざCRISPR/Casシステムを使って抑制する機構を用いているのであろう。普段このFTN_1103が生きていく上で必要なのだろうか?

Science 朱さん
#6136
1051, 1106 ビタミンE輸送蛋白質(α-TTP)について
私たちは食事から摂取したビタミンEを一度肝臓に送り、そのあと全身に送られることで健康を保つことができている。その中でα-TTPは肝細胞に取り込まれたビタミンEを再び血中に放出する機能を果たす重要タンパクである。今回α-TTPが細胞膜にPIP2と結合することが輸送に必要であることが分かってきた。この話の中ではビタミンEとPIP2の交換により輸送ができるようになるというPerspectiveが面白かった。

1059 質量分析による構造決定!?
最近登場したIMS-MSを利用すれば、NMRやX線結晶解析を行わなくても蛋白質の大体の構造がわかるよっていうReview。IMSについては日本語でわかりやすく説明が書いてあるサイトがあるみたい。
IMS= ion mobility spectrometry, MS= mass spectrometry

PNAS vol110 No.21,22 堀田さん
8525 黄色ブドウ球菌の薬剤耐性因子VraRについて
細胞壁合成の促進に関わるVraRの結晶を解いた。VraRはリン酸化、Mg2+によりホモダイマーになる。これによりDNA結合モチーフがむき出しになることが、細胞壁合成遺伝子の転写が活性化に繋がるであろうというストーリー。ホモダイマーになる時に相互作用するドメインの順番があることに興味を持った。

9060 Agrobactriumの細胞成長、分裂について(FtsA, FtsZ)
New poleからしか成長しないAgrobacteriumにおける分裂機構をFtsA,Zの蛍光局在観察を行ってモデルを立てていた。FtsAは分裂面の局在するのに対して、FtsZが色々な所に局在するのはなぜだろう?両極にあるのは不思議だった。FM4-64染色からOld poleとNew poleで膜の電荷が異なるのかもしれないという考察が面白いと感じた。

9177 鳥インフルエンザウィルスの拡散防止のために行った研究
途上国では突然変異で人から人へ感染するようになる可能性が十分に考えられる。そこでベトナムで生きた鳥の売買を行う人々の動きの統計をとった。都会よりも田舎の方が人の動きが多様であり、拡大防止を防ぐのが難しいらしい。

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