2013年11月25日

森 Nature Vol.499 No.7457&7459
1 ヒトに感染する鳥インフルエンザのH7N9インフルエンザウイルスに関する話。ヒトなどの受容体とそれに結合するウイルスの結晶構造を解明し、鳥に感染した際とヒトに感染した際の違いを調べた。
2 同じくH7N9インフルエンザウイルスに関する話。ヒト型の受容体と鳥型の受容体で種々のインフルエンザウイルスで感染率に差が出るらしい。また、気管より肺の方がウイルス量が多いらしい。
3 結核菌の転写因子のネットワークの話。結核菌に感染すると低酸素状態になり、DosRやRv0081、KstRなどが働く。
4 マラリア原虫の毒性因子についての話。赤血球に感染する際の毒性因子であり多数の種類が存在するPfEMP1はPfSETvsによって1種類のみが発現されるように抑制を受ける。

稲葉 Science 6157&6158
1 シロイヌナズナの自然免疫に関する話。FlagellinのN末端の保存された22個の残基であるflg22とFLS2LRR、BAK1LRRの結晶構造を解いた。これらはflg22を介して相互作用している。
2 サソリを食べるという珍しいバッタマウスに関する話。サソリに刺された痛みをシャットダウンする機構があり、鎮痛剤への応用が期待される。Nav1.8が関わっているらしい。
3 植物の開花と温度との関連性の話。高温で不安定なSVPと低温で働くFLM-βとが結合することで開花が抑制されるらしい。

尾上 PNAS vol.110 no.43&44
1 L-カルニチンとγ-ブチロベタインの二次輸送に関するCaiTの話。過去に解いたLeuTとCaiTの結晶構造を比較し、R262が二次輸送に重要であると同定した。
2 寿命が長く、がん耐性を持つ珍しいハダカデバネズミに関する話。寿命が長い原因としてタンパク質の翻訳に着目し、翻訳の正確性が増していることを発見した。
3 いい抗体の選び方に関する話。特異性や安定性がその指標になる。ES細胞で抗体とレポーターを発現させるという方法を用いている。
4 細胞間のコミュニケーションに大事だとされるギャップジャンクションに関する話。安定だと考えられていたが、細菌の毒素によって構造がダイナミックに変化することを発見した。
6 自然な状態でコンピテントセルになる細菌に関する話。DNAの取り込み装置 に着目している。グラム陰性菌は二段階の取り込みが起こり、typeIV piliがそれに関わっているらしい。

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