2014年5月19日

竹川さん
Science Issue 6182, Issue 6184
1)クロマチンの構造をクライオで観察した論文で、DNAの二重らせんがさらに二重らせんになっているのが見られた。180bpのDNAを使い30nmくらいのものについてsingle particle analysisし、11Åで構造が解けたそうです。機能などについての記述は無く、見た目を楽しみたい一本。☆☆☆☆

2)チャネルロドプシンを光で開くClチャネルにしたという内容。最近神経の研究の人たちが、光で神経の活性を調節出来たら便利だよね、だから抑制に働くClイオンを通す光依存性のチャネルが欲しいな、ということで作ったらしい。チャネルロドプシンに9個の変異を入れたもので、このチャネルは1回光が当たると一定時間開きっぱなしになるらしいです。事前にコンピュータシミュレーションでClを通す予測をした上でこの実験を行いました。☆☆☆

3)環境中には微生物がいっぱいいて、その中でも海水中にいるProchlorococcusが一番多いらしいです。そのProchlorococcusを季節ごとに捕まえてきて全ゲノムシーケンスし、この季節にはこのゲノムを持つやつらが多い、について調べました。お金はかかっているが果たしてそれに見合う展望が得られたのでしょうか、今後に期待したいですね。☆

4)シャペロンがタンパク質をどうアグリゲーションさせないようにしているのかを、構造的な側面から調べたという内容。NMRでシャペロンと標的タンパク質の相互作用部位を調べ、結論としてはタンパク質の疎水性部位にシャペロンが相互作用することによってアグリゲーションを防いでいるみたいです。個人的には簡単に納得させてくれるこういう論文は好きです。☆☆☆☆☆

5)細胞の大きさというのは細胞が生きていく上でとても重要で、その細胞の大きさを調節する陰イオンチャネルを同定した論文。先にCellに同じ内容のものが掲載されていたがScienceにも掲載されました。この論文にはCellの方には無い、タウリンを通すというデータもあるらしいです。☆☆

6)時間の関係で説明はありませんでしたが、これは少し前ヤフートップで見た気がします。若返りについての研究で、年寄りマウスと若者マウスを合体させるというなかなかの実験をしていました。

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