2014年5月26日

本間先生 Science Vol. 344, Issue 6180 & 6181
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植物の胚発生の初期段階の話。ここでは、システインが豊富なペプチドが、胚発生の初期段階で必要なことを示した。このペプチドをNMRで構造解析もしている。

299
植物免疫の話。アラビドプシスでは、3つの病原体に対し、RPS4とRRS1という2つの細胞質受容体が必要なのだが、今回これらが会合していることがわかった。ホモダイマーやヘテロダイマーの結晶構造解析から、TIRドメイン同士の相互作用が明らかとなった。このTIRドメインによるヘテロダイマー化が病原体を認識するのに必須であるらしい。

304
タイトジャンクションの主要な構成因子であるClaudinを2.4オングストロームの分解能で結晶解析した。4本の膜貫通ヘリックスの他に細胞外に特徴的なベータシート構造が観察された。細胞外表面の特徴的な電荷を元に、細胞間のイオンの透過経路について提案した。

319
軸索上のミエリンは一様に分布していると考えられていた。今回、電子顕微鏡により高解像度で調べてみると個々の神経細胞で異なる分布をしていることが初めてわかった。特に表層の神経細胞でそのバリエーションが大きかった。

堀田さん PNAS Vol. 111, No. 17 & 18
6401
インフルエンザを防ぐ、宿主を標的とする生物製剤を新たに開発した。インフルエンザの標的であるシアル酸を事前にシアリダーゼに結合させることで、インフルエンザの感染を防ぐ。この研究では、シアリダーゼをタンデムに繋ぐことで、シアル酸に対する親和性を向上させた改変タンパク質を作製した。マウスを用いて、実際にインフルエンザ感染に有用であることを確認した。

6437
Toxoplasma感染は、病原性のものがよく研究されていた。今回、非病原体のToxoplasmaを調べてみると、病原性のものとは異なり、ファゴサイトーシスにより侵入しファゴソームに寄生することがわかった。

6624
SAM(S-adenosyl-L-methionine)と結合するriboswitchの話。 SAMと結合するコアドメインとは別に、周辺ドメイン(PK-2ドメイン)を持つriboswitchについて、その結晶構造解析し、周辺ドメインの役割について検討した。コアドメインと周辺ドメインのRNAヘリックスが垂直になるように折りたたまれている珍しい構造をしているようだ。

6750
これまで、結核菌Mycobacterium tuberculosisの毒素はわかっていなかった。今回CpnTと名付けたタンパク質が毒素であることがわかった。興味深いことに、CpnTはN末端部分が外膜でポアを形成し栄養取り込むのに対し、C末端部分が外毒素として働くらしい。CpnTが栄養の獲得と宿主の細胞死という2つの機能をもっていることがわかった。

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