2014年6月9日

小野君 Nature Volume 509, Number 7499, 7493

Listeria monocytogenes exploits efferocytosis to promote cell-to-cell spread
Listeriaとは世界中で良く存在し、食中毒を起こす細菌だ。今回、筆者たちはこの菌がどうやって感染しhost細胞から隣のmacrophageに移るのかを解明した。まず、菌が宿主にあるactinを利用して膜の方に移動している。そして自分の毒素により、宿主の細胞膜に包まれてすぐに切り離されて、細胞外の環境に行く。ともに残りの細胞膜を宿主が自己修復しているようだ。ところが、この菌が宿主細胞の隣に存在しているMacrophageのTIM-4の膜タンパク質を認識し、efferocytosisという形で入ることが明らかになった。

REST and stress resistance in ageing and Alzheimer's disease
アルツハイマー型認知症(Alzheimer's disease、AD)は、認知機能低下、人格の変化を主な症状とする認知症の一種である。今回、筆者たちは幅広い世代の人をサンプルとして様々な遺伝子の発現を調べてみた。その中にRESTという遺伝子があり、年配のグループにおいて罹患者ではあまり発現しない、一方、非罹患者の年配で強く発現が見られるという結果が分かってきたため、この遺伝子に注目し、いろいろな対照実験をおこなって最後にRESTがアルツハイマーと関連遺伝子を抑えることが明らかになった。

平子さん PNAS Vol. 110(52); Vol. 111(1)

Osmosensory signaling in Mycobacterium tuberculosis mediated by a eukaryotic-like Ser/Thr protein kinase.
筆者たちは浸透圧ショックに対する細菌細胞内での反応する信号通路を見つけた。Mycobacterium tuberculosisという菌の外膜に存在しているSer/Thr タイプのProtein Kinaseが浸透圧ショックに反応し、生産された信号はその経路の下流にあるRv2638というタンパク質に伝えられた。そのタンパク質が自己リン酸化されると細胞内のphosphataseによって脱リン酸化され、リン酸を転写因子sigma factorの方に渡す。この因子のリン酸化のおかげで下流のたくさん経路、たとえばPG remodelingやoxidative stressなどに関わる因子が活性化されるようだ。

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