2014年12月15日

Kumarさん
Nature Volume 516, Number 7530

1) 細胞膜の脂質二重層は、外膜(ホスファチジルコリン)と内膜(ホスファチジルセリン)でリン脂質の分布が非対称に分布している。これをスクランブルすることによりホスファチジルセリンを外膜に露出させるとアポトーシスなどの認識シグナルとして利用される。このスクランブラーゼはATP依存ではなくCa2+依存的に活性化していることが分かっていた。今回そのスクランブラーゼであるTMEM16の二量体構造が明らかになり、Ca2+が結合する部位も分かった。構造的な観点からCa2+が結合してCl- channelのモデリングを行っているがまだ明らかにはなっていない。
2) Ca2+活性型のCl- channel(BEST1)が、透過中のClM-とCa2+が付いた状態の構造が明らかになったという論文。BEST1に変異が入ると眼疾患の原因になることが知られており、疾患を起こす変異はゲート開閉装置の内側に多く存在している事が分かった。
3) 病原性のバクテリアのバイオフィルム中に含まれるアミロイド繊維の事をCurli繊維と呼ぶ。今回はそのCurli形成に必要なタンパク質分泌装置の構成タンパク質CsgGのX線構造を明らかにし、CsgEとCsgGの複合体をクライオ電子顕微鏡で観察することができたという話。

竹川くん
PNAS Volume 111, Number 48, 49

1) ナイセリアのワクチン内に含まれるNadAが3量体の構造で明らかになった。また、抗原決定基が明らかになったので、今後のワクチンのデザインに役立てそう。
2) イカと共生して蛍光を発しているVibrio fischeriのcolonizationとbiofilm regulationに必要な遺伝子が380個見つかった。その中でも特にCuを排出するP-type ATPaseであるcopAと、シャペロンであるdnaJがバイオフィルム形成・接着に重要であることを示唆している。
3) 厚さ4µmまでの立体的な映像が光学顕微鏡で撮れるようになったという話
4) アルコール産生方法として、従来では酵母やバクテリアに無理矢理多くの遺伝子を導入し、クロストリジウムを利用して産生してきた。今回は、高熱耐性菌のパイロコッカス(高熱性アーキア)を利用した。この菌は元々acetateからacetaldelydeまでは作成できていた。今回他の高熱性アーキア由来のAdhAを導入しただけでアルコールまで生産することが可能になった。この結果から、acetateまで作れるバクテリアであればAdhAを導入するだけでアルコールが産生できるという新しいコンストラクトができた。今後今までよりも効率の良いデザインが発見されるかもしれない。

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