竹川さん
1: 遺伝子発現の振動の話。Quorum sensingのactivatorとrepressorを片方ずつ大腸菌で発現させて、2種類の菌を混ぜて振動させたことが新しいらしい。これらにCFPおよびYFPを融合することで、蛍光観察から、よりロバストで周期的な振動を観察することができた。
2: 麻薬や鎮痛剤となるオピオイドの生合成の話。今まではケシからの精製や化学合成でしか得られなかったが、多くの遺伝子を酵母に組み込むことで、簡便に合成できる様になったらしい。収量を上げる工夫がさらに必要になるらしい。
3: 小胞の融合に関与するSNAREの機構解明の話。R SNAREとQ SNARE、SMタンパク質が機構に関与していることから、これらの共結晶をいくつか解明した。これらが複合体を形成することがわかり、新たな中間状態を含むモデルを提案した。
4: アーキアのDNA分配の話。AspAという遺伝子がDNAと結合することを結晶構造等で示した。また、これとオペロンを形成するバクテリアにも見受けられるParAとParBの結晶構造等を解明し、ParBのC末端側はバクテリアではなく、真核生物のヒストンに似ていることがわかった。これらのことから、アーキアのDNA分配の機構はバクテリアと真核生物の機構が混在するとわかった。