稲葉さん(Nature #7562, #7573)
(1) Durand et al.
Type VI secretion system構成因子のTssM, TssL, TssJについて構造を結晶で解き電子顕微鏡でも観察した。電子顕微鏡でとれた像に結晶構造を当てはめてモデルを立てている。今後は電子顕微鏡画像をsingle particle analysisにより11.6Åからより精密な構造に改良することが期待される。

(2) Liu et al.
biofilm形成の際に、biofilimの生産と休止のサイクルが繰り返されることが分かった。その主な原因はbiofilmの窒素供給の関係があるようだ。より詳細なメカニズムの理解が進めば、窒素の供給をコントロールすることで創薬や生物学での応用が期待される。

(4,5) Deng et al., Nomura et al.
結晶構造でのGULT1に対するGULT3, GLUT5の比較。各輸送体の役割、輸送物質、発現場所などの違いについて説明があるとよかったと感じた。基質特異性に関してどの部分が重要かは明らかになっておらず、今後の報告が楽しみである。

平田さん(PNAS #27, #28, #29)
(8433) McFarland et al.
バクテリアの溶菌に関わる転写因子制御の話。オペロンを組んでいるAlpと呼ばれる転写因子が制御に関わるようである。細菌が溶菌を選択することによるベネフィットについてあまり共感ができなかった。

(E3792) Hibert et al.
ATP活性をもつvirus capsid proteinのring形成のはなし。ATP結合によるアロステリックな活性の変化が5量体ringの機能に重要であることが分かった。しかし、5量体構造で存在しているのかがまだ明確でないと感じた。

BACK