2) #6256_Wu et al; ヒト腸内細菌が、腸内で生き残るために必要な遺伝子は何か?という問いに答えた研究です。腸内細菌のトランスポゾンライブラリと、同じ菌種で未処理のものを混ぜてマウスの腸に戻し、高脂肪/低脂肪食事を与えた場合にトランスポゾン処理したもので生き残った菌の数をシークエンシングで見積もるという仕事でした。Arabinoxylanを代謝/合成に関与する酵素に変異が入ると、ある腸内細菌は増えなくなるようです。一昔前では考えられないような、シークエンシングテクノロジーの進歩により、こういった仕事がどんどん行われるようになってきた気がします。
3) #6257_Rostislavlelva et al; endocytosysに関与する脂質キナーゼ複合体Vps30-38-34-15の複合体の結晶構造の話です。重水素-水素交換Mass Spectroscopyという最近流行り出した手法で、膜との相互作用部位も同定していました。大きなV型の全体構造で、口の部分に脂質を挟み込むのではないか、と考えているようです。それにしても、よくぞこのような複雑な構造が結晶化できたもんだ、と感心しました。