錦野君

#1: 脳などの神経伝達に関与するNa+依存性K+チャネルSlo2.2のクライオ電顕による構造解析の話。4.5Åの分解能で4量体として解明された。昆虫細胞で発現させる機構を用いたらしい。界面活性剤だけでなく、複数の脂質添加によって精製している。Na+のありとなしの状態でのチャネルのopenとcloseに関するモデルを立てた。リジン残基同士の相互作用が大事らしい。
#2: MRSAに一度感染した宿主由来の細胞を注入した際に抗生物質が効かなくなることへの新たな解決策の話。プロテアーゼ切断を受けるリンカーに抗生物質と病原菌を認識する抗体を架橋することで、宿主細胞内に侵入した病原菌をプロテアーゼ切断によって遊離した抗生物質が殺すという興味深い方法を発明した。プロテアーゼ切断が起こらなければ抗生物質の効果は現れないのが特徴的である。ニューキノロン系の抗生物質が効きやすいらしい。
#3: イノシトール3リン酸受容体InsP3Rのチャネル開閉メカニズムを電顕による構造解析によって明らかにしたという話。4.7Åの分解能で4量体としてligand freeで解明された。1.3Mdaの非常に大きなInsP3Rチャネルのほぼ全長の解明に初めて成功した。イノシトール3リン酸の結合部位等を予測し、モデル化している。

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