錦野さん Nature #7599, #7594
1:抗うつ剤と結合したときのセロトニン受容体の構造を解いた話。元々知られていたcentralな部分に加え、allostericな部分にも結合することがわかった。新しい抗うつ剤の開発に繋がるかもしれない。

2:脳にあるアセチルコリン受容体のM1とM4の部位の構造を新たに解いた話。M1〜M4はそれぞれ阻害剤が結合する部分の形が異なることが明らかになったため、形に応じた阻害剤を用いることで、特定部位の機能だけを阻害することができると考えられる。

3:エボラウイルスのRNAポリメラーゼを阻害する化学物質GS-5734が見つかった話。この研究は猿を対象としており、人間でもGS-5734が機能するとはわからない。はやくエボラの治療薬開発に繋がってほしい。

尾上さん Science #6276, #6277
4:ショウジョウバエの脳の活動と概日時計の関連を述べた話。時計関連ニューロンのCa2+レベルを観察した結果、Ca2+レベルのリズムはそのニューロンの活動より4時間程度前進していたとわかった。シアノバクテリア以外の概日リズムの話だったので興味深かった。

5:DNA複製時にはDNA量は2倍になるが、タンパク質の発現量は2倍にはならない。その仕組みをクロマチン制御の点から解明した話。タンパク質発現の抑制には、H3K56のアセチル化が関わっているとわかった。

6:DNAをメチル化するMMSの働きの話。MMSによって約80%までの細胞でPAdaが活性化する。プラスミドによってadaを過剰発現させると細胞が死んでしまうため、MMSによる活性化は上手い具合に調節されている。本間研の実習でEMSによる変異導入を行っているのでなじみ深い話だった。

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