#6285_page 583; ノーベル賞受賞者Michelさんのところと九州工大の坂本先生の研究室のコラボレーションで、シトクロムbd oxidaseの結晶構造が報告されました。坂本先生が長い間時間をかけてようやく立体構造解明にこぎつけたと、昨年末の生体エネルギー研究会でこの内容を聞きました。いくつかあるシトクロム酸化酵素のうち、bdタイプは立体構造が分かっておらず、今回結晶構造が初めて明らかになったわけですが、その副産物としてCydSという4 kDaの非常に小さいタンパク質が構造に含まれていることがわかった話も面白かったです。
#6288_page 1004; Forminに加えて、CLIP-170がアクチン重合に関与している。変異体と蛍光色素をうまく使って、微小管結合タンパク質CLIP-170が実はアクチン重合を促進していることを見出していました。SNAPタグに蛍光ラベルをいれるところがポイントだったようです。
水野くん PNAS vol.113, #20, 22
初めての紹介を頑張っていました。3報発表でどれも丁寧に説明していました。その中でメラニンの合成の制御についての話が印象に残りました。
Vol.113, #20, Ambrosio et al; メラノソームでメラニンが合成されますが、その過程においてチロシナーゼが重要な働きをすることがわかっていました。チロシナーゼ活性はメラノソームのpHにより制御されているようで、今回同定したTPC2という膜タンパク質は、これの欠失によりメラノソームのpHが上昇して、そのためにメラニン合成量が上がることがわかりました。TPC2はメラノソームの形にも影響を及ぼすようで、最近形態についても関心がある私には興味深い話でした。