(3)Lupoli et al.
スクランブラーゼTMEM16がどのように脂質を輸送するかを計算で考えた話。TMEM16はアポトーシスや血液凝固など多くのことに関わっており、様々な研究がなされているようだが、そのTMEM16の機能を計算だけで考え、そしてそれがPNASにのるなんてすごいと思った。
(4)Kimata et al.
シロイヌナズナの受精卵の内部をライブイメージングで観察することで、受精卵が非対称に分裂する様子が見られたという話。受精すると細胞内の微小管やアクチンの並びが崩れ、別の向きに並びなおすことで非対称分裂がおこるそうです。名大の学生さんのようなので、修論発表で話をしっかりときいてみたいと思う。
(6)Voss et al.
低分子量GTPaseの活性をFRETによってイメージングしたという話。それによってRab1が細胞質においてほとんどが活性型であり、ゴルジ体では不活性型であることが明らかとなった。細胞内でのFlhFのGTP型/GDP型の識別にも応用できないだろうか。
尾上先生 PNAS Vol. 113 No.31, 32, 33, 37, 38, 39
(3)Son et al.
Vibrio alginolyticusの走化性には遊泳速度が関与するという話。菌を遊泳速度ごとに分けて、誘引物質の濃度勾配のあるプレートにのせると、速く泳ぐ菌の方がより誘引物質のほうに集まるようである。すごく身近な内容がPNASにのったので、我々も頑張ればPNASにのせることができるのだなと良い刺激をうけた。
(4)Hood et al.
シアノバクテリアは暗所では、様々なバクテリアの飢餓状態と同様増殖をとめるという話。シアノバクテリアに光が当たらないと細胞内のppGppレベルが上昇し、そしてリボソームを不活性化する遺伝子等が発現することで増殖がとまるようである。このストレス応答は、同じ様に光合成する植物でも保存されているのだろうか。
(5)Jutras et al.
Borreliaの細胞分裂を、ペプチドグリカンの合成に着目して観察したという話。新たに合成されるペプチドグリカンは、菌体の端から1/4、1/2、3/4の部分に位置し、極では見られなかった。合成されるペプチドグリカンの位置を決定するメカニズムが気になるところである。