本間先生:Science 6332 (5/12), 6338 (5/19), 6339 (5/31)
5報の紹介がありました。そのうち印象に残った2つは以下の通りです。
#6332_page 617, Caldieri et al: EGFRがどのように細胞内でリサイクルされるかを調べています。リサイクルには大きく分けてクラスリンに依存する経路と依存しない経路の2つがあり、今回は依存しない経路の新規因子RTN3を免疫沈降とSILACという方法で見出し、その働きや局在を調べた話でした。この因子はER膜側に存在する因子のようですが、ERからのCa2+放出に関与するようで面白そうです。
#6332_page 631, Kobayashi et al: 京都大学のグループの研究です。もともとクラミドモナスで分裂に関与するとして知られていたMOCという因子をクローニングし、シロイヌナズナで機能を調べました。変異により葉緑体の核様体の分裂が異常になりますが、MOCはホリデイジャンクションのレゾルバーゼとして機能する因子でした。In vitroでのレゾルバーゼ活性の見せ方にAFMを使っていて、その像は一般読者にもわかりやすく印象的でした。

岩月くん:PNAS vol. 114, #21(5/23), 22(5/30)
初めての速報の発表で、準備に苦労していたようですが、彼なりにまとめようとしていたのがよくわかる発表でした。なかなか論文の大事なところだけをまとめて人に説明するという作業は、最初は大変に感じるかもしれませんが、これから発表の経験を積むときっとよくなると思います。3報の発表があり、その中から1つについての感想です。
#22_Larson and Yother: 肺炎連鎖球菌の莢膜がどのように細胞壁に結合しているのかを調べた研究です。岩月くんは2年生の時、私の演習(細胞表層のレビューを内容に組み込んでいました)を受けていたので、この内容を選んだのかなと思いました。私も知らなかったのですが、肺炎連鎖球菌(グラム陽性で外膜がない)のペプチドグリカン(PG)層の周りに莢膜と呼ばれる糖がつながった構造があるのですが、これがどのようにPG層につながれているのかはわかっていなかったようです。フッ化水素酸で消化して、莢膜の構成要素であるCPSの単位とPGの構成要素のNAMの結合最小単位を得て、質量分析でその結合が何であるかを決めていました。それはホスホジエステル結合ではなく、グリコシド結合だったというのが結論です。かなり基礎的なことのはずなのに、わかっていなかったということが帰って私には印象的でした。

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