本間先生 Nature #7698(3/29), #7700(4/12), #7703(5/3)
9報紹介されました。そのうち3報の感想です。
(4) #7609_Maier et al.
非抗生物質薬剤の一部がヒト腸内細菌の生育を阻害しているという話。副作用が起きる原因のひとつとしてマイクロバイオームが関わっているのは興味深いと思った。またこうした薬剤が抗生物質耐性の獲得を助長する可能性については有り得る話なので検証する必要があると感じた。
(8) #7698_Vandewauw et al.
マウスにおける急性侵害性熱感知が3つのTRPイオンチャネルに依存することが示されている。3つのうち少なくとも1つが機能すれば熱応答が行われるということから、痛覚感知が傷害を回避するための非常に重要な機構であることがよく分かった。
(17) #7700_Takahashi et al.
シロイヌナズナにおいて、根が水分損失を感知した際にCLEペプチドというシグナル伝達分子が発現し維管束を経由して葉に移動し、BAM受容体と会合してアブシジン酸の蓄積を調節することで気孔を閉鎖し蒸散を防いでいるという話。松林研のCEPホルモンの話によく類似していて興味深く印象に残った。

岩月さん PNAS Vol.115 No.17, No.18
4報紹介されました。そのうち2報の感想です。
(2) Vol.115, #17_Lee et al.
バイオフィルムの形成初期において、細菌が接着面についたり離れたりを繰り返すことでcAMPが増加し最終的に定着するという話。更に詳細なメカニズムが気になる。
(3) Vol.115, #18_Robinson et al.
マラリア感染者は匂いが変化し蚊を引きつけやすくなるという話。面白い話だとは思ったが、本間先生のご指摘通りコントロールデータとしては不十分であると感じた。

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