寺島先生 Science Vol. 360 Iss. 6387
Lin et al.,
鞭毛のむち打ちの仕組みをCryo-EMを使った構造学的観点から考察した。これまでに、鞭毛を構成する微小管に結合しているダイニンがカーブしている部分でのみ活性化することで力の不均一が生じていると考えられていたが、実際はカーブの部分でダイニンが不活性化することで力の不均一が生じることが明らかとなった。これまで前者の仮説を提唱していた人がどんな反応をし、証明あるいは反論するためにどんなデータを出してくるのかが気になる。

Myhrvold et al.,
CRISPR- Cas技術を応用して、ウイルスのゲノムを認識する技術を考えた。1滴の唾液や尿からジカウイルスやデングウイルスに感染しているかどうかを検出できるようである。この技術がキットになり、使用が認証され、安くなることで名大構内のコンビニでも買える日が来るのだろうか。

井上さん PNAS Vol/ 115 No.19
Lehtimaki et al.,
犬をモデル生物としてアレルギーの発症と皮膚常在細菌の関連性を調べた。都会で生活する犬と田舎で生活する犬で定着している細菌に違いがみられ、アレルギーの発症と相関がみられたようだ。犬だけでなく猫や人でも同様の相関がみられるのかが知りたい。

Wang et al.,
カチオンチャネルP2X3に阻害剤AF-219を加えて結晶構造を解いた。チャネルは2量体で機能するがAF-219がLeft Flipperと呼ばれる領域の近傍に結合することでLeft Flipperの動きを制限しチャネルが開かなくなっていることが分かった。P2X3を創薬ターゲットとして研究しているようで、新しい創薬のデザインに貢献する知見らしい。

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