本間先生 Nature Vol 560-561 Iss.7717, 7719, 7720, 7722
Baharm et al.,
世界各地約180か所の海水サンプルをメタゲノムにかけ生物の種類と割合の推定を比較した。採取したサンプルの地域よりも気候が種類と割合に対して大きな相関があったようだ。地球規模の解析をしたことに驚いた。

Kong et al.,
Cryo-EMでdynaminのpolymerの構造を解析し、3.5Åのdensity mapを得た。ヌクレオタイドの結合解離により構造が大きく変化することで膜を引きちぎって出芽小胞を形成するとモデルを立てている。Polymerで構造が解けているため、隣り合う分子間に構造変化がどのように伝わるのかに興味を持ったがよくわからなかった。

Butterwick et al.,
昆虫の嗅覚受容体を構成するOrco受容体の構造を解析した。ほかの受容体と相互作用してヘテロレセプターを形成するなどして臭い物質の構造的な違いを認識するのだろうか疑問を持った。

三野さん Science Vol.361 Iss.6401, 6405, 6406
Goldford et al.,
栄養が限られた環境下で複数のバクテリアを培養することでバクテリアの共生に関して解析した。バクテリアの代謝生産物を別のバクテリアが利用することで養分が限られた環境下でも複数の特定のバクテリアが生存できることが分かった。腸内環境を疑似的に再現して同様の実験をすることでガンなどの疾病を予防、治療することに応用できないかと考えた。

Su et al.,
人のPKD1-PKD2チャネル複合体の構造をsingle particle analysisで解いた。PKD1:PKD2が1:3のヘテロテトラマーになっていた。PKD1, PKD2の機能やヘテロテトラマーで存在することの解釈がよくわからなかった。論文の中に既知のチャネル(Kcs等)と比較した議論があるとよかったと思う。

寺島先生 PNAS Vol.115 NO.36, Vol.115 No.38
Speare et al.,
Vibrio fischeriのtypeIV secresion systemについて解析した。typeIVが2種類コードされた株は1種類コードされた株を殺し、イカの発光器に定着しやすい。2種類コードされている株同士ではモザイク状の塊が形成され住み分けが行われたが、バランスが崩れると片方が優性になった。fischeri以外の菌でも同様のことが起きて、細胞への感染に影響があるのだろうかと思った。

Shimizu et al.,
smgGDSとRhoAの構造を解析することでGEFのメカニズムを明らかにした。Armadillo repeat motif(ARM)が構造の維持やヌクレオチドの結合解離に関わっていた。我々が研究しているFliGにも(ARM)が存在し、べん毛モーターの機能に重要であることから変異体解析や論文の執筆に使えないか検討の余地があると感じた。

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