岩月さん PNAS vol.115 #40, 42
2冊から3報紹介されました。
Sampriti Mukherjee et al.
シュードモナスのクオラムセンシングにおける新しいリガンドシンターゼPqsEを発見したという話。結合するリガンドの種類によって、1種のレセプターが異なる遺伝子の発現を活性化するのが面白いと思った。
Shishen Du et al.
FtsZ がZリングを作る際にどの向きで重合するかを解明したという話。今回は、bottomに結合していくとのことだったが、ホモログのチューブリンでは逆とのことで、その差がなぜ生まれたのかが興味深いと思った。
錦野さん Nature #7702, 7713
2冊から4報紹介されました。
Ana Rita Btochado et al.
バクテリアに抗生物質や食品添加物、解熱剤等の様々な化学物質2種を同時に加えた際に、どのような影響がみられるかという話。これまで化学物質同士の影響を考えずに抗生物質2種でセレクションをかけ、アラビノース等でプラスミドのインダクションをしていたが、物質同士の作用をよく調べ、特に新しい物質を用いる際には注意していきたいと思った。
本間先生 Science #6415, 6413, 6412
3冊から8報紹介されました。
James D. Crall et al.
ネオニコチノイド系の殺虫剤が花粉を媒介し受粉させるハチの行動を阻害するという話。殺虫剤は農産物の産生効率を上げるために重要であるが、デメリットもあることも考えなければならないと感じた。
Andrew H.Moeller et al.
腸内細菌がどのように伝達されるかという話。ほとんどの細菌は親から子へ垂直伝達され、病気の際にのみ個体間での水平伝達が起こるとのことだった。生物がどの時点で腸内細菌を伝達されるかが気になる。
Wei-Zheng Zeng et al.
神経で発現している圧力(血圧等)を感知するイオンチャネルについての話。これによって血圧調節や心拍数の調節ができない患者に体する治療法が発見されることを期待している。
伊村さん PNAS vol.115 #44, 45
2冊から3報紹介されました。
Yue Zhang et al.
抗生物質を産生する細菌が、どのように自身を抗生物質から守るかという話。
今回は、細菌が持つNapUが前駆体を活性化させたり、活性を持つ抗生物質を不活性化させたりすることでコントロールしているとのことだった。自身から抗生物質を産生して周りの細菌を殺し、自身は不活性化して生き残るという生存戦略が非常に理にかなっていて面白いと思った。
Ryan W.Paerl et al.
土壌中の細菌がビタミンB1を合成できず、生態系のボトムアップにはビタミンB1が重要であるという話。土壌中の細菌はビタミンB1の合成経路の3つの過程のうち、どれか1つを欠損しているものが多いとのことだったが、複数の菌種で持っていない経路を補ってビタミンB1がいるのではないかと思った。