Science 井上さん #364
April 5, 2019 Lightfoot et al.,
線虫の自己認識に関わるペプチドの遺伝子と配列を決定した。自分が持つペプチドと配列が同じペプチドをもつ線虫を攻撃しなくなることようだ。バクテリアでも同じペプチドを分泌できれば、線虫に食べられなくなるのではないかと思った。

May 24, 2019 Nolivos et al.,
AcrAB-TolC薬剤排出ポンプが抗生物質耐性遺伝子をコードするplasmidの接合伝播を助けることにより抗生物質耐性を獲得する仕組みを明らかにした。抗生物質耐性遺伝子を持たない菌は、排出ポンプにより抗生物質を排出している間に抗生物質耐性遺伝子を接合により獲得する。排出ポンプの機能や発現をいかにして抑えるかが耐性菌の増殖を防ぐかのカギとなると改めて感じた。

PNAS 本間先生 Vol.116, No.14, 19, 21
Bauer et al.,
focal adhesionにおけるkinaseとFERMがどのようにしてアクチン繊維を滑る力を生み出すかをAFMにより解析した。変異体やヌクレオチド存在下でのKinaseとFERMの解析から、KinaseとFERMの距離が変化することで力を生み出すことが分かった。タンパク質やそのドメインの距離で運動が変化する点は、べん毛回転子のC-ringの構造変化に通じるものがあると感じた。

Zhang et al.,
ピロリ菌の分泌毒素であるCytotoxin A複合体の構造を単粒子解析し、膜に結合して穴をあけるメカニズムのモデルを立てた。最近は、単粒子解析でなんでも構造解析してトップジャーナルに報告している気がする。

Kuhne et al.,
Chennelrhodopsin-2を解析し、チャネルが閉じている/開いている構造が二種類あることを報告した。名工大神取先生のreviewで提案している「パナマ運河モデル」(Kandori et al., 2018, Chemical reviews)のO stateとunphotolyzes stateが2つあることになると考えられるがモデルとの整合性はどうなるのだろうと疑問に思った。

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