Puddu et al.
真核生物の遺伝子をノックアウトした時の他のゲノム配列の変化を調べたそうです。出芽酵母の変異体のコレクションのゲノム配列を調べると、反復配列やミトコンドリアの配列のコピー数がよく変動しているそうです。
Vol.573 Issue7775
Dai et al.
酵素反応における低障壁水素結合についての論文です。水素結合の距離が小さいと水素はどちら側の酸素にも偏りうる状態になり、酵素反応に置ける障壁が小さくなるそうです。今回はトランスケトラーゼの結晶構造をといてMDによってそのようなことが起こっているのかを調べました。
三野さん Science 6445, 6458, 6460
3冊から3報の紹介です。
Vol364, Issue6445
Sanchez-Perez et al.
アーモンドが食用化されたのはbHLH転写因子に変異が入ったということが背景にあるということです。連鎖解析によってSweetの表現型の責任遺伝子座を狭めて、その中にあったbHLHのどのアミノ酸残基に変異が生じているかまで示されました。非モデル生物での順遺伝学的なアプローチの実験だとおもいました。
Vol 365, Issue6458
Hiraizumi et al.
P4-ATPaseフリッパーゼの6つの中間体構造を解くことで脂質の転移のメカニズムを明らかにしたそうです。
Issue 6460
Farhadi et al.
哺乳類の細胞で光ではなく超音波をもちいてイメージングを行うことを試みたようです。細菌のつくるガス小胞の形成遺伝子を利用して超音波を当てたときの反響が小胞の有無で異なるためにイメージングができるそうです。
藤原さん PNAS vol.116, #36, 39
2冊から3報の紹介です。
Vol.116 No.36
Hassan et al.
結核菌の相変異と薬剤耐性についての話でした。結核菌はグリセロール代謝に関わるglpK遺伝子にシトシンが複数個挿入される変異が起こりやすくなっており、それによって相変異が生じるそうです。グリセロール代謝関連遺伝子の変異によって相変異が生じるのは宿主の肺内にグリセロールが存在するのでその環境に適して増殖するためで、薬剤を受けるとストレス応答重視にシフトするのではという考察がなされていました。結核菌の薬剤耐性についてのみならず、相変異についての理解も深まって良かったと思いました。
Vol.116 No.39
Chungyu et al.
歯垢関連バイオフィルムを作る菌とその繊毛についての話でした。繊毛がきちんとした長さで生えそろっていないとバイオフィルムは形成されないそうです。
Winsor et al.
サンショウウオ(スプリングサラマンダー)の成体および幼体個体数変動と河川流量についての話でした。生態学的は個体数の変動を説明する要因を見つけるのが重要だと思いますが、河川流量がその一つに含まれる可能性を示したということは有意義ではないかと思いました。