Nature 伊藤さん Issue 7828、7829
2冊から4報の紹介。
Katherine et al.,
マウスにおいて子の神経発生が、母親の腸内微生物に由来する代謝産物に影響するということを、軸索形成を指標として明らかにした。母胎内において成長する子と代謝産物をやり取りできるという胎生ならではの面白さを感じる論文だった。

Benjamin et al.,
自然免疫に重要なSTINGという受容体とその免疫経路が細菌に由来していることを示した。進化の過程で後生生物が細菌から免疫経路をもらったという可能性がとても魅力を感じた。c-di-GMPを加えた際のSTINGの多量体化の様子が電顕上で明らかで視覚的にも面白かった。

Nature 平子さん Issue 7788-7791
4冊から4報の紹介。
Patricia et al.,
アカゲザルにおいてBCGワクチンの予防接種を静脈に行うと、皮下注射に比べてより結核に対して耐性を持つことができるという内容だった。アナフィラキシー等の問題から静脈注射は難しいということで、その改善が進み、劇的な結核予防ができればよいなと思った。ちなみに僕は、BCG注射をした記憶もなく、跡もないのでどうしたのか全く知らず、母親に聞いてみようと思った。

Serēn et al.,
バクテリオファージが自身のDNAを核様区画に入れ、クリスパー系や制限酵素からDNAを防御することを示していた。以前、ウイルスがシェルター戦略によって複製反応等を効率的にかつ生体の防御機構に見つからずに行うことができるという論文を読んだことがあり、それとよく似た話であった。ファージの持つDNA防御戦略にはいくつかの共通性がありそうな気がした。

Ronald et al.,
幹細胞療法で見られる心臓の回復は幹細胞ではなくマクロファージ等を心臓に打ち込んだ場合でも同様の効果が見られ、急性免疫応答に起因しているのではないかということを示していた。打ち込まれた幹細胞が自ら心臓を成していかず、免疫応答を引き起こすのみだということが今までの考えと大きく異なり、衝撃的かつ少し残念に思えた。

Science 和泉さん Issue 6498, 6516
2冊から3報の紹介。
Zhubing et al.,
クライオ電顕によって、ヒトコヒーシンNIPBL-DNA複合体の構造を解いたという内容だった。NIPBLがコヒーシンを成すSMC1とSMC3の二量体化を安定化していた。細胞分裂に伴う染色体移動には数多くの因子が関与しているであろうことがわかった。

Domen et al.,
哺乳類の電子伝達系のComplex Iのカップリングメカニズムをクライオ電顕によって明らかにした。Complex Iにはopen状態とclose状態が存在し、close状態になることによってwater chainによるつながりができ、プロトンを最後まで運べるようになるということであった。電子伝達系のモデルや機能についてほとんど知らなかったので、とても面白かった。

PNAS 本間さん Vol.117 #41,#45,#46
3冊から12報の紹介。
Kristin et al.,
ClpAPプロテアーゼのClpAについてその活性化について調べた論文であった。ClpAが12量体となっており、その12個のATPaseが協調的にはたらいているということがとても不思議で面白かった。

Jack et al.,
NhaAという、ナトリウムイオンとプロトンのアンチポーターにおけるプロトン結合部位の変化についての論文だった。もともとの結合サイトであるK300を変異によってつぶしても、他に部分にプロトンの結合サイトができ、輸送が可能であるということがとても驚き、このアンチポーターが多少の変異でも機能を失わないような、E.coliにとってとても重要なものであるのかなと思った。

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