Science 梶野くん #6547, 6550
2冊から4報の紹介でした。
Lisa Rodermund et al.,
XX性染色体の発現レベルXY性染色体レベルに合わせる機構(Xist)があり、RNA-SPRITというイメージング手法によりXist RNAの挙動を解析していた。ここではHaloTag付きのBglGタンパク質を付加し、生細胞内で連続標識を行い、動的に個々のRNA分子をイメージングすることが可能になった。これによりX性染色体の活性・不活性に関するXist分子の定量分析ができるとのことで、他のノンコーディングRNAについても同様の分析ができたら研究の幅が大きく広がると思った。

Parsa Akbari et al.,
肥満に関係する遺伝子の話だった。BMIと関連する遺伝子が16個もあり、その中でも脳で発現するGPR75についてマウスを用いて観察しており、in vivoでの実験からGPR75の遺伝子変異で肥満の予防の可能性がみられた。このような単純な機構で肥満の改善ができるのであれば、ヒトに対してこの手法を応用すれば画期的な生活習慣病の改善・予防法として注目されると思う。

PNAS 本間さん Vol.118; #34, 35, 36
3冊から14報の紹介でした。
Dayna C. Patterson et al.,
DcpGというタンパク質の特徴、構造的な特性についての論文だった。酸素や一酸化窒素等の気体・嫌気性条件によりc-di-GMP生成量が変化し、バイオフィルム形成能に影響するという結果もあり、興味深かった。

Carys S. Jones et al.,
グラム陽性菌ペプチドグリカンのアセチル化をするOatA酵素は、C末部分がアセチル化に重要であることが知られていたが、N末の機能や特性が不明であった。今回の実験で、OatAのトポロジーと特性を決定しており、アセチル基の移動を伴わせるOatAの作用モデルが提唱されていた。

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