和泉さん Nature 7890, 7891
2冊から3報の紹介。
#7891, Pengli Zheng et al.,
小胞体膜に存在する、CLIMP63、KTN1、p180というタンパク質が微小管と相互作用、結合することを示唆したという論文だった。蛍光の共局在から示唆していたが、実際のところ直接結合はしておらず、近くに存在している可能性も大いにありそうだった。しかし、これら3つのタンパク質が小胞体膜上に異なる存在をし、微小管にそれぞれ違う結合の仕方をするだろうという考えはとてもおもしろく、細胞小器官の分布に大きく関わってそうだった。

#7890, King L. Hung et al.,
禁煙後に体重が増加するというよく言われていた考えに切り込み、喫煙と体重変化、腸内細菌叢の関連を調べたという論文だった。速報の時の話題で出た通り、体重変化が腸内細菌叢の変化につながっているか、はたまた逆かということが正直分からないところで調べるのが難しそうに感じた。僕の友達が言うには、禁煙をすると口の寂しさからタバコの代わりに食物に手が伸び、体重が増えたと言っていたので、単純に禁煙後のマウスの摂食量が増加するのか、それが体重増加につながっているのかが気になった。

山崎さん Science 6573, 6575, 6576
3冊から3報の紹介。
#6573, Christian E Zimmerli et al.,
核膜孔の直径の生理的変化を調べた論文だった。核膜孔の大きさが核のサイズ、内膜外膜間の距離(張力)と相関があり、クライオ電子線トモグラフィーの構造を見ると、様々な大きさが見られた。Osmotic shockやED consticterdによって核膜孔が小さくなることで、核内でどのような変化が起き、環境適応に有効なのかがとても気になった。

#6575, Lakmali M et al.,
口腔バリアにおいてフィブリンが好中球の機能に役割を持っているという論文だった。プラスミンというプロテアーゼがフィブリンを切断、融解し、好中球の応答を制御しているようであった。プラスミン欠損症という先天性の病気に焦点を当てていて、世の中には知らない病気がまだまだたくさんあるなと思った。

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