ハオさん Nature #7907, 7910
2冊から5報の紹介がありました。バラエティに富んだ内容でとても面白かったです。その中で私が気になったのはBarros-Alvarez et al (#7907)で報告されていた「接着型Gタンパク質共役受容体の活性化機構」でした。mature formになったあと、N末端の細胞外領域が切断されますが、そのままbeta strandを介して受容体の本体に結合したまま残っているようです。リガンドがこの切断された細胞外領域に結合するとbeta strandの構造が変化して細胞外領域が外れ、膜貫通領域に垂れるように作用して受容体が活性化するとのこと。このファミリーのGPCRを知らなかったので勉強になりました。

和泉さん Science #6593, 6595
2冊から3報の紹介がありました。それぞれ面白くて発表もわかりやすかったです。最初のLandskron et al (#6595)が特に興味深く、これまで微小管末端のチロシン化を知らなかったので勉強になりました。チロシン修飾により微小管重合が安定に起こるようですね。MATCAPという微小管結合タンパク質が今回同定され、脱チロシン化を行うようです。クライオ電顕でMATCAPの微小管結合サイトの構造を明らかにするだけでなく、もう一つの既知の脱チロシン化酵素をノックアウトしたマウスの脳が小さくなることを示していて、脳における微小管重合の重要性を改めて感じました。

福嶋さん PNAS Vol. 119, #18, 19, 20
3冊から3報の紹介がありました。初めての発表でよく準備し頑張ったと思います。1つ目のDNAホリデイジャンクションの構造をin vitroで解析できるようにした実験(Ho et al, #18)はきれいな結果が出ていました。Genetics Iという科目で、先学期教えていたので、改めて勉強になりました。もう一つ、Weatherill et al (#20)のPorinの外膜挿入の1分子可視化の研究も興味深く、1分子の挿入を全反射顕微鏡を用いた計測系を確立して調べると、多分子で挿入を観察していた時よりずっと速く挿入されることがわかったようです。実際の手法を深く読んでみたくなりました。

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