Nature 本間さん#7905, 7906, 7909
3冊から13報の紹介でした。

Zunyong Liu et al.,
アブシシン酸や微生物関連分子パターンにより閉鎖した気孔を再開口させるシグナル伝達系が示されていた。気孔の閉鎖は病原体の侵入などから植物体を守るために重要であるが、閉鎖が長引くと光合成と蒸散が低下してしまう恐れがあるため、再開口を促す経路を植物が備えていたのは納得であった。他の気孔開口方法として青色光受容が挙げられるが、今回発見されたSCREW-NUT系による気孔開口は、夜中に気孔閉鎖が起こった場合や光の当たりにくい場所に生えた植物にとって特に有効な方法ではないかと思った。

PNAS 横澤さん Vol.119 #21, 22
2冊から4報の紹介でした。

Steve Horvath et al.,
Rachael Morgan et al.,
イヌとヒトにおける、DNAメチル化によるエピジェネ老化時計について示されていた。ヒトと遺伝子の多様性や暮らしている環境が似ていることから、老化の研究に家庭用のイヌがモデル種として使われていたことに驚いた。確かにヒトと老化のパターンがよく似ていた。老化により、mRNAをプロセシングする遺伝子に多くメチル化が入るのは納得であった。また、研究室で育ったゼブラフィッシュは野生のゼブラフィッシュと比べて温度の可塑性が失われるという話が触れられていたが、野生のイヌと家庭用のイヌにおいて、寿命に関わる大きな違い(DNAメチル化のパターンなど)が生じていたりするのか気になった。

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