別所さん Science #6597, 6598
2冊から6報の紹介でした。
うち5報は核膜孔の構造についての研究でした。核膜孔は真核生物が共通して持っている普遍的な構造物ですが、その詳細な構造がいまだにわかっていなかったというのは意外でした。また、AIによるアミノ酸配列からの立体構造予測というものが使われるようになっていることに時代の流れを感じました。タンパクの立体構造予測がとても難しいということは聞いたことがありましたが、GoogleがAlphaFoldという構造予測システムを作っていたということは初めて知りました。きっと製薬などの応用研究でも大きな需要があり、昨今のAIの進歩によって解決できるだろう問題として目をつけたのではないかと考えました。

片山さん PNAS Vol.119 #25
1冊から3報の紹介でした。
アザラシの水中での餌探索の方法についての研究は、ヒゲを触覚センサーとして使っているというおもしろい内容でした。魚などの餌がいることを感知すると、たるんでいたヒゲがピンと立って水流を感じ取る触覚センサーとしての能力が向上するそうです。ヒゲとは呼んでいますが、ヒトのものとは本質的に違った機能を持っているということが興味深かったです。また、エタノールの脳への影響をマウスで調べた研究は、ニューロンに不可逆的な変化が見られるということで、改めてお酒の恐ろしさを認識することができました。

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