Nature 福嶋さん#7918, 7919, 7931
3冊から3報の紹介でした。

Sjoerd J Klaasen et al.,
間期における核内の染色体位置が、分配異常に関与するという内容だった。モデル図では中心部から遠ざかる位置にあるほどエラーが起こりやすいということだったが、実際には染色体がどのくらい分散しているのか気になった。また、中心部にあるものでも30%程度のエラーが起きており、生体機能に影響はないのか気になった。染色体位置を誘導することで疾病の治療が可能になるだろうか。

Jong Hum Kim et al.,
温暖化の影響による植物の免疫力低下を回復させたいという内容だった。植物は暖かい環境の方がよく育つイメージがあったので、高温条件下で免疫力が下がるというのは少し意外だった。それはどうしてなのか気になった。(タンパク質の変性や酵素活性の温度条件が関与しているのだろうか)また、サリチル酸合成経路の遺伝子の過剰発現で回復可能とのことだったが、ただ単純にサリチル酸を投与するだけと比べて何か利点があるのだろうか。

Science 横澤さん#6612, 6613
2冊から2報の紹介でした。

Bhargav D Sanketi et al.,
初期胚でのPitx2が腸管のねじれ形成にどの様に関与しているのか調べた内容だった。片側の細胞が拡張し、もう片方が圧迫されることで左右非対称を形成しているということで、面白い内容だった。発生の過程で組織の形状が複雑化していく中で、依然として、モルフォゲンは適切な濃度勾配が形成できるのが非常に不思議だと感じた。

PNAS 平子さん Vol.119 #25, 26, 27
3冊から9報の紹介でした。
Taiki Adachi et al.,
アザラシがヒゲを水流センサーとして使っていることをカメラによる調査で明らかにしたという内容だった。ネコなどの生き物でもヒゲの役割が大事というのはよく聞く話だったが、ダイナミックにヒゲを広げたりする様子が捉えられていて面白かった。水中の暗闇でも役立つということで、ネコも夜行性のため、夜行性(または暗い水中に生息する)動物の方がヒゲを利用するといった傾向はあるのだろうか。

Stella Ekaputri et al.,
ヒノキチオールという天然小分子が鉄欠乏症の改善に役立つというないようであった。この小分子はヒノキから取れるものらしいが、日本ヒノキではダメで、台湾ヒノキが産生した物でないと効果がなかったらしい。それらが分子的にどう違うのか非常に興味がわいた。

Andrew Savinov et al.,
大腸菌においてタンパク質を短い範囲でカバーする様な分子ライブラリー用いて、成長阻害をセレクションすることでタンパク質のインタラクションサイトを見つけるという様な内容だった。自分の研究に非常に役立ちそうな内容であった。タンパク質全体を一気に調べることができるので、非常に効果的な手法だと感じた。

BACK