Science 小岩さん Vol.379, 380 #6628, 6634, 6645
3冊から3報の紹介でした。
Schwarzar M et al.,
腸内細菌叢を形成する乳酸菌株が、栄養不足のマウスにおいてIGFの活性をサポートし、成長を促進すること、またこのプロセスには腸管上皮細胞のNOD2が必要であることが報告した論文でした。栄養不足状態で成長することで体に何かの負荷がかかるのではということが少し気になりました。この研究に基づいて栄養不足の子供の発育不良を改善するような治療法が開発されれば、発展途上国の支援に役立つだろうと感じられました。
Royer M et al.,
シュモクザメが低温の深海に潜る際、息を止めてエラを閉じることで体温の低下を防いでいることを示唆する論文でした。シュモクザメほどの大型のサメでも、エラを通過する海水が深部体温に与える影響を無視できないのだと考えると興味深いです。
PNAS 小嶋さん Vol.120 #16, 17
2冊から5報の紹介でした。
Chinmay A. Kalluraya et al.,
脊椎動物における目の進化に重要なIRBP遺伝子と類似した遺伝子をバクテリアから発見したこと報告する論文でした。バクテリアのpeptidaseが水平伝播して、脊椎動物ではレチノール結合タンパク質としての全く別の機能を持っているというのは面白いです。
Minh Nguyen et al.
コレラ菌のTcpFが外膜を通過し、細胞外空間に放出されるメカニズムについて報告する論文でした。繊毛の先端に着いたTcpFが繊毛の伸長により繰り出される様にして細胞の外に運ばれるというのは興味深いシステムだと感じられました。