Nature 片山さん Vol. 622 #7981, 7982, 7983
3冊から4報の紹介でした。

Ranjith P. Anand et al.,
ブタの臓器を用いた異種移植についての論文で、3つの糖鎖抗原のノックアウト、7つのヒト遺伝子の導入、ブタの内因性レトロウイルスの不活性化に焦点を当てて研究を行っていました。カニクイザルにおいて7つのヒトの遺伝子を導入すると生存日数が伸びていることが示されており、どのような違いがうまれているのかが気になりました。腎不全は死亡率が高い疾患の一つであり、日本でも腎臓移植の希望者はドナーの数を大きく上回っているので、ブタの臓器を用いた腎臓移植の一刻も早い実用化を期待したいです。

Science 平子さん Vol.380 #6650, 6651, 6652
3冊から4報の紹介でした。

Hu Zeng et al.,
 従来のリボソームプロファイリングではトランスクリプトームの解析はできるものの個々の細胞の翻訳の様子はわかりませんでした。この論文ではリボソーム結合mRNAを利用したRIBOmapと呼ばれる新たな手法を使用することで、単一細胞解像度で翻訳の様子がイメージングできることを報告していました。プローブの設計が見事でした。

Srinivasa P S Rao et al.,
 トリパノソーマを死滅させるシアノトリアゾールが見つかったことを報告した論文でした。トリパノソーマ症について知らなかったので、アメリカとアフリカでこのような病気が広まっていることを知ることができて非常に勉強になりました。

PNAS 曽根さん Vol.120 #37, 38
2冊から3報の紹介でした。

Ferran Barrachina et al.,
 免疫抑制細胞である制御性T細胞と男性不妊症の関係について、制御性T細胞がないと精巣と精巣上体で自己免疫疾患を引き起こすことや、精子の数と運動性が低下することを報告した論文でした。男性不妊症の新しい治療法の確立に役立てばよいなと思いました。

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