平子先生 Nature No. 7967, 7968, 7969
3冊から3報の紹介でした。
Degan et al:パイロトーシスの際に細胞膜に穴を作って細胞死を引き起こすタンパクNINJ1についての論文でした。普段は単量体で存在しているのが、パイロトーシスのシグナルによって重合して多量体となり、これが膜にとって異物になり細胞膜、ひいては細胞を崩壊させていくということでした。

Wang et al:GDF15という分泌因子の体重減少効果に関する報告でした。食欲抑制の効果があることは知られていたそうでしたが、それに加えて筋肉で非ふるえ熱産生を亢進することで体重減少を引き起こしているとのことでした。人間に置き換えると、この体重減少は肥満が抑制されているような状態なのか、それともやせて不健康な状態なのかが気になりました。

横澤くん PNAS No. 49
1冊から2報の紹介でした。
Lavallee et al:タンパク質スプライシングにおいて取り除かれる部位インテインのアメーバにおける研究でした。タンパク質スプライシングという現象について知らなかったので、そんな1つの遺伝子から多様性を生み出す仕組みと、これが真核生物でも水平伝播を起こしているということに驚きました。

Monttinen et al:DNA複製時に生じることがあるtemplate-switching mutationsにより、DNAの1本の鎖の中に近接して相補的な部位が生じ、これが転写されるとRNAが二次構造を取ってmiRNAとして機能するという報告でした。比較的簡単に新規のmiRNAを獲得できるため、これが進化に寄与したという推察はおもしろかったです。

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