成田先生
Nature Volume 630 No. 8015, 8016, 8017(おそらく)から3報の紹介

Finkelstein-Zuta et al:
三つのチロシンで構成されたトリペプチドはとても水に溶けやすく、溶媒である水が蒸発すると、非晶質のガラスになることがわかった。応用例として、接着剤としても活用できるそう。トリペプチド自体は、水素結合やベンゼン環のスタッキングで固まっているらしい。

Zheng et al;
電子線トモグラフィーと、単粒子解析を組み合わせることによって、高分解能を実現したらしい。ミトコンドリア上の呼吸鎖のスーパーコンプレックスを高い分解能で観察することを実現していた。

服部さん
PNAS vol121 No. 23, 24の2誌から3報の紹介。

England et al;
動物や植物が帯びている電場がどのような役割を持っているかを調べた。芋虫の天敵であるスズメバチの電場を再現し、そこに芋虫を置いた場合、歩行する時間と丸まる時間が増えた(逃げるためと考えられる)。このように、電場を何らかの形で感じ取り、逃避行動に利用しているということが示唆された。

Ding et al;
生育環境によって、作る脂質を変えることにより、効率よく脂質を作るという戦略が微生物には備わっているらしい。例えば、リン欠乏条件では、リン脂質の生産を低下させ、代わりに窒素や硫黄を含む脂質の生産をあげることによって、その場をしのいでいるらしい(?)。

Pyeon et al;
電気ショックで依存性や強迫的な行動を消す方法があるが、倫理的問題があるらしい。 PBNという脳の領域でCGRPを発現する神経が、嫌悪刺激の情動的・動機的側面をコードしており、感覚的側面はコードしていないことが知られている。 このCGRPを発現している神経を発火させることによって、ドーパミン刺激により学習した行動を打ち消すことが出来た。 しかし、CGRP神経を発火させると同時にドーパミン神経の発火をやめたので、実際の依存性のある行動などに適用可能なのかは不明(論文には書いてあるかもしれないが、紹介ではこのように語られた)。

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