Nature 平子さん #7997-7999
3誌から4報の紹介がありました。

Elie Dolgin,
この記事では、女性が男性より自己免疫疾患に罹りやすい原因について報告されていた。今まで「女性が男性より自己免疫疾患に罹りやすい」という事実はすでに知られていたが、なぜそのような現象が起こるのかははっきりわかっていなかった。しかし、本記事によると、その原因は女性おいて不活性化されたX染色体である可能性が高いとのことだった。不活性化されたX染色体において、全ての遺伝子がサイレンシングされているわけではないらしい。このサイレンシングを免れたX染色体上の遺伝子が女性における自己免疫疾患の罹りやすさに影響しているということだった。 Research articleではなくNewsではあったが、とてもおもしろい内容だったので取り上げてもらえてよかったと思う。この記事の紹介があるまで女性における自己免疫疾患の罹りやすさについて知らなかったのだが、おもしろい仕組みが影響しているかもしれないのだなと思った。

Science 久保田さん Vol. 384, #6700, 6701
2誌から3報の紹介がありました。

Susanne Keipert et al.,
この論文では、恒温動物が寒冷な環境で体温を維持するために熱を生成する能力の起源について報告されていた。熱の生成には、ミトコンドリア内でエネルギーを熱として放出できるようにするタンパク質UCP1が必要であるらしい。筆者らは未だ不明であるその進化的起源を調査した。調査の結果、UCP1を発現する脂肪組織BATがまず1億5千万年前に獲得され、その後有袋類から分岐した祖先がBATにおけるUCP1で熱生成の能力を獲得したことがわかった。 恒温動物における熱生成の仕組みの起源について考えたことはなかったが、その起源に触れて興味深いなと思った。熱生成の機能を獲得するための2段階の進化は、言われてみると理にかなっているなと思った。

PNAS 横山さん Vol. 121, #26-27
3誌から3報の紹介がありました。

Reema A. Apte et al.,
この論文では、マラリアの感染拡大を防止する策としてマラリアを媒介するハマダラカの個体数減少の方法を探索していた。実験では元々あった昆虫を不妊にする技術(SIT)とCRISPR-Cas9を応用することで効率的に個体数を減らしていくことができるような蚊を作成し、次世代の蚊の数を減らせることを実際に示した。 上川内研のマシューが似たことに着目して研究をしていたと思う。別角度からのアプローチもおもしろいなと思った。

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