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 硬い細胞壁に囲まれた細胞を持つ植物では、細胞分裂で生じた娘細胞同士の位置関係が永続的に維持されるため、動物で見られるような細胞集団運動は起こりません。しかし、植物ホルモンや分泌型シグナルペプチドによって体軸形成や幹細胞制御が行われ、花や葉といった器官を形成します。私たちはこの形作りの基盤となる分子機構の解明を目指して、基部陸上植物ヒメツリガネゴケを用いた研究を展開しています。ヒメツリガネゴケはDNA相同組換え効率が非常に高く、CRISPR/Cas9遺伝子編集法や誘導型RNAiシステムも利用できる、有用なモデル植物です。ヒメツリガネゴケのモデルとしての利点を活かしつつ、現在は特に植物細胞の細胞質分裂メカニズムに着目しています。