平子さん Nature 8100, 8101, 8102
興味深い話題が5つ提供されました。Kay et alとTobiasson et alでは、真核生物の起源の話題で、古細菌Aagardからどのようにしてミトコンが入っていくのか、遺伝子重複の観点から推定していく研究でした。膜組成の違いや、核膜がいつできたのかなども含めて、まだまだ分からないことが多いと感じました。2報目(Tobiasson et al)は私が学生の頃から配列比較ではとても有名なKooninさんのラボの研究でした。他の話題も面白く、眼が2つ以上ある生き物にレチナールがあること(Lei et al)や、GPCRの中にはagonistが作用するとGTPを外す方向に進む話(Stahl et al)も意外でした。個人的には最後に紹介された鳥の眼では酸素呼吸をしていない!(Damsgaard et al)ことが驚きで、糖代謝でエネルギーを供給しているのが面白かったです。確かに空を飛んでいると酸素は少ないので、理にかなってますね。

杉澤さん Science 6798, 6799
2つの論文の紹介でした。1つ目は心筋細胞の成長に伴う横方向か縦方向への伸長が、微小管の安定性に依存する(Scarborough et al)という研究でした。みなさんおっしゃっていましたが、心筋細胞はアクトミオシンで埋まっているイメージなので、微小管?と腑に落ちない感じがしました。介在板がどうやら鍵になるようで、tubulinのmRNAの局在を含めたデータから議論していました。2つ目は細菌を閉じ込めることのできるマクロゲルを開発し、緑膿菌のクオラムセンシングのシグナルを受容するとcell lysisを起こす因子を分泌する大腸菌を閉じ込めて、人工関節近くに埋めることにより緑膿菌感染症を食い止める(Harimoto et al)、というお話でした。実際マウスに埋め込んで、緑膿菌を減らすことに成功していたのは驚きです。室温に置いておけば、半年も大腸菌が生きたまま閉じ込められるのだそうです。スタブアガーに菌を接種すれば、数ヶ月は室温で保存可能なので、そこにヒントを得たのかもしれないです。面白かったです。

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