五島研究室
名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻細胞内ダイナミクスグループ
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研究テーマ
 私たちは、名古屋と菅島の研究室で、様々な生物種を使って細胞内動態、とりわけ微小管が関与する動態に関する研究を進めています。生物種が変わればメカニズムが異なることは多々あり、生物ごとの独自性と共通性を明らかにすることを目標としています。
 植物細胞生物学:ヒメツリガネゴケを用いた研究
 植物の細胞分裂や微小管動態の調節機構を明らかにすべく、ヒメツリガネゴケを用いた細胞生物学を展開しています。ヒメツリガネゴケはDNA相同組換えの効率が非常に高く逆遺伝学に適しているため、近年注目されている有力なモデル陸上植物です。私たちはこれまでに、誘導型RNAiシステム、斜光照明蛍光顕微鏡法の開発やCRISPR/Cas9遺伝子編集法の改良に成功し、微小管制御因子の細胞生物学的解析を進めてきました。現在は特に植物幹細胞の分裂や運命決定に着目しています。 ヒメツリガネゴケ
(図1)モデル植物・ヒメツリガネゴケ

(図2)ヒメツリガネゴケ幹細胞の分裂の様子
緑:GFP-tubulin / 赤:Histone-RFP
 動物細胞生物学:スピンドル形成の分子モデル構築
私たちは細胞分裂装置・スピンドルの形成機構の解明に向けて精力的に研究を推進してきました。現在は、中心体に依存しないでスピンドルが形成される仕組みの研究を中心に進めています。

(図3)スピンドル動態

 酵母を用いた「進化実験」
ある生物種では生育に必須の遺伝子が、別の生物種では進化の過程で失われるという例が数多く認められます。私たちは、分裂酵母を材料に、必須遺伝子を完全に失った細胞の増殖能力を実験的に回復させることを試みています。これまでに、約90の必須遺伝子のうち20%程度について、欠失後も酵母の増殖能力を維持することに成功しました。その要因を分子レベルで突き止めることで、必須遺伝子のロスを代替するサブ機構を明らかにすることができるものと期待しています。

(図4)分裂酵母を用いた「遺伝子必須性のバイパス」研究
 海藻の細胞生物学
 鳥羽は海苔をはじめとして色々な海藻の産地です。私たちは海藻の細胞レベルでの研究を展開しています。海には多様な生物種が生息し、その中には細胞レベルで陸上生物とは大きく異なる特徴を有するものも多くいます。たとえば細胞分裂はすべての生物にとって基盤的な活動ですが、このプロセスにおいてですら海藻では「常識外れ」の様式が存在することが示唆されています。これらを理解する上で、陸上生物のモデル細胞種を用いた研究で得られた知見をそのまま当てはめることはできません。また、実際の海藻細胞内での動態や、あるいは独自の様式を司る遺伝子(タンパク質)についての知見は多くありません。細胞骨格、染色体の動態観察や必要遺伝子の同定を通じて海藻の一見独自の細胞分裂の仕組みを明らかにすることを当面の目標としています。
(図5)菅島臨海実験所前で採集した海藻
 海生真菌の生物学
酵母や糸状菌の真菌類はパンやビールの原料としてだけではなく、有用抗生物質の発見や、細胞の基盤制御機構の解明など、広く生物学、医学に貢献をしてきました。これまで研究で主に用いられてきたのは出芽酵母S. cerevisiae、分裂酵母S. pombe、糸状菌A. nidulansなどの限られた種です。しかし、海には多様な真菌類が生息し、モデル真菌とは全く異なる細胞の成長や分裂を示すことがあることが最近の研究でわかってきました。菅島臨海実験所の近海にも多様な真菌類が生息していることが確認されています。真菌類を採取し、その細胞生物学や新規生理活性物質の単離を目指します。

(図6)菅島近海で採集された酵母(左)と糸状菌(右)

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