2003年度「べん毛研究交流会」ご報告

細菌べん毛関連研究者の皆様

名古屋は桜の花に包まれて、新しい季節を迎えました。宝谷先生のご退官という記念すべき会となった、2003年度べん毛交流会も、皆様のご厚意により、盛況の内に無事会を終えることができました。貴重な成果を発表して下さった方、有意義な質疑応答により会をもり立てて下さった方、参加はかなわずとも交流会を温かく支援してくださった方、本当にありがとうございました。また来年も、早春の頃(できれば目を見張るようなデータを携えて)お目にかかれますことを心から楽しみにしております。

2003年度べん毛研究交流会世話人 本間道夫・難波啓一・相沢慎一

2003年度「べん毛研究交流会」

日時 2004年(平成16年)3月9日(火)〜11日(木)
会場 名古屋大学シンポジオン
※最終日に宝谷紘一先生(Qちゃん)の退官記念講演とパーティーを予定しております。

発 表:一人30分(20分発表・質疑応答10分)
ショートスピーチ:15分(10分発表・質疑応答5分)
発表形式:原則的に液晶プロジェクター(power pointでの発表)
※OHPの利用希望があれば、事前にお知らせ下さい

いつものように、基本的には一人30分の持ち時間で、20分を発表に、残りを質疑にあてたいと思います。20分の発表ではなるべく研究の問題点が浮き彫りになるように(つまり、討論の題材となるような研究の問題点が明確になるように)して下さい。イントロも恒例のことではありますが、どの参加者も意見を交換できるように、少し意識して分かりやすく、丁寧にお願いします。特に時間をとって議論したい話題については、総合討論の時間をもうけるなどして対処したいと思います。また、10分発表・5分質疑のショートスピーチをもうけて、ちょっと聞いてもらいたいというような発表も取り入れたいと思います。とりあえず、以下のようなスケジュールを考えています。各研究グループから少なくとも1人には話していただく予定です。参加申込用紙の備考欄に発表の形式(ロング・ショート)と発表する場合の優先順位をご記入下さい。最終的な人選は、当方にて行いますが、特に強く発表を希望なさるトピックがある場合は、その旨を前もってお知らせ下さい。なお、講演希望者の人数により、スケジュールの変更をすることもあります点、どうぞご了承とご協力お願い致します。

連絡先 〒464-8602 名古屋市千種区不老町
名古屋大学大学院理学研究科
生命理学専攻 西岡典子
電話 052-789-2993
FAX 052-789-3001
e-mail i45407a@cc.nagoya-u.ac.jp

2003年度べん毛交流会プログラム

3月9日(火)
13:00 受 付
14:00-15:30 Session 1 【病原性】(Discussion Leader:川岸 郁朗)
一瀬勇規 岡山大学・農学部) 30分 P. syringae pv.tabaciのフラジェリン糖鎖修飾部位の決定と糖鎖修飾の運動能・病原性に及ぼす影響
大西浩平 (高知大・遺伝子実験施設) 30分 植物病原細菌Ralstonia solanacearum感染時における hrp レギュロン発現調節
柴田敏史 (CRESTソフトナノマシン) 15分 植物病原性細菌 Erwinia carotovora subsp. carotovora EC1の運動性の病原性への関与
水崎秀明 名市大) 15分 サルモネラ菌のタイプIII分泌タンパク質の解析
15:45-17:00 Session 2 【環境応答・走化性】(Discussion Leader:今田 勝巳)
西山宗一郎 (愛知学院大・歯・微生物) 15分 歯周病原細菌Porphyromonas gingivalisの二成分情報伝達系による病原因子の制御
入枝泰樹 (名大・院理・生命理学) 15分 大腸菌走化性レセプター複合体の可溶化と精製
坂野聡美 (名大・院理・生命理学) 15分 大腸菌走化性における受容体修飾酵素 CheB の細胞内局在とその制御
吉本誠之 (名大・院理・生命理学) 15分 大腸菌走化性レセプターおよび様々なヒスチジンキナーゼの局在機構の解析
17:00-17:15 休 憩    
17:15-18:05 Session 3 【超分子機能】(Discussion Leader:石島 秋彦)
伊藤知彦 (名大・院理・生命理学) 30分 Role of the projection domain of heat stable MAP on microtubule
瀧ロ金吾 (名大・院理・生命理学) 20分 アクチン線維束の伸びたり縮んだり
18:30-20:30 夕食・懇親会(ユニバーサルクラブ)
3月10日(水)
9:00-10:10 Session 4 【超分子機能】(Discussion Leader:薬師 寿治)
岸元愛子 (東京工大・院理・物質電子科学) 20分 出芽酵母のプリオンSup35のアミロイド線維構造解析
今田勝巳 (阪大・院生命機能) 30分 うまく繋がりました
岩瀬 亮 (名大・遺伝子) 20分 好熱性藍色細菌 Thermosynechococcus elongatus BP-1の時計タンパク質KaiBのX線結晶構造解析
10:10-10:25 Session 5 【モーター構造と機能】(Discussion Leader:南野徹)
小嶋誠司 (Utah Univ.) 30分 Structure-function studies of the MotA/MotB complex of Escherichia coli
寺島浩行 (名大・院理・生命理学) 15分 GFP融合FliGタンパク質を用いたVibrio alginolyticusべん毛モーターの解析
檜作洋平 (名大・院理・生命理学) 15分 バクテリアべん毛P-リングタンパク質FlgIの解析及びモータータンパク質MotBとの融合タンパク質の作製
岡部真裕子 (名大・院理・生命理学) 30分 ビブリオ属の極毛に特異的なNa+駆動型べん毛モータータンパク質MotXとMotYの局在とその生化学的性質
11:55 記念撮影および昼食(各自自由)
15:00-16:30 Session 6 【運動・回転解析】(Discussion Leader:曲山幸生)
林 茂 (JST戦略的創造研究) 30分

分子機械の効率の話

小川剛史 (CRESTソフトナノマシン) 15分 べん毛モーターの回転はいつ始まるのか?
大湊 友樹 (桐蔭横浜大・工) 15分 Na+駆動型キメラモータの強制回転
石島秋彦 (名大・院工・応用物理) 30分 1回転中におけるステップを観る!
16:45-18:30 Session 7 【べん毛構造・べん毛構築】(Discussion Leader:大澤研二)
南野徹 (ICORP超分子ナノマシンプロジェクト) 30分 べん毛フック完成に伴うべん毛蛋白質輸送装置の基質認識切り替えにおけるFliKの作用機構
平野貴謙 (CRESTソフトナノマシン) 15分 べん毛フックの長さ調節機構
神戸正臣 (名市大院) 15分 コーロバクターのべん毛基部構造の解析
谷ヶ崎仁 (CRESTソフトナノマシン) 15分 Bradyrhizobium japonicum 2種類のサブポーラーべん毛
神坂健司 (名市大院) 15分 ビブリオ菌多極毛変異株の解析(1):極べん毛数の決定機構の謎に迫る!
楠本晃子 (名大・院理・生命理学) 15分 ビブリオ菌多極毛変異株の解析(2):極べん毛数の決定機構の謎に迫る!
3月11日(木)
9:00-12:00 招待講演 1 (座長:相沢慎一)
野地博行 (東京大学)   F1-ATPaseの化学ー力学変換メカニズム
神谷 律 (東京大学)   真核生物は鞭毛をどうやって動かしているか
10:20-10:40 休 憩    
9:00-12:00 招待講演 2 (座長:難波啓一)
Bertha Gonzalez (Universidad Nacional Autonoma de Mexico) Pathway, export and assembly of bacterial flagellar proteins by a type III system
Noreen R. Francis (Brandeis University) Structure of the bacterial flagellar basal body and signal transduction complex
12:00 交流会解散    
宝谷先生退官記念講演会 於 名古屋大学シンポジオン
13:00 受付開始    
13:30 シンポジウム
  大沢文夫(名古屋大学名誉教授)
Ron Vale(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)
難波啓一(大阪大学大学院生命機能研究科)
15:30- 宝谷先生最終講義 「観て、魅せられて、楽しんだ」
宝谷先生退官記念パーティー 於 ラ・メゾン・ブランシュ(覚王山店)
17:30 受付開始    
18:00