Colloquim 2001
日 | 発表者 | タイトル:内容 | 紹介論文 |
1月30日 | 薬師 寿治 | 酸化することに意義がある:タンパク質のジスルフィド結合は、そのフォールデングにおいて重要である。DsbAとDsbCの酸化還元の機構を紹介する。 | Kobayashi et al. (1997) Katzen F and Beckwith J. (2000) |
2月13日 | 小林 玲児 | コレラ菌の病原因子の発現調節機構について紹介した。ホストに細菌を感染させ、その時に発現される遺伝子を調べる系をつくった。走化性遺伝子がその病原因子発現に関与していることが分かった。 | Lee SH et al.(submitted) Lee SH et al.(1999) |
4月10日 | 坂本 博史 | sir遺伝子はインスリン様シグナル伝達経路中にあって寿命を制御しており、酵母は線虫と同じ機構で寿命を制御しているらしい。Clock変異体と耐性形成変異体における長寿は異なる伝達経路で支配されているらしい。 | Tissenbaum HA, &Guarente L.(2001) Lakowski B, Hekimi S. (1996) |
4月10日 | 小嶋 勝 | コレラの毒素活性状態を、PDI(ジスルフィドイソメラーゼ)が還元依存シャペロンとして働き、調節する。 | Tsai B et al. (2001) |
4月24日 | 川岸 郁朗 | 細菌の細胞分裂:MinEは驚くべき発見の鉱脈である。MinCの分裂阻害活性を抑圧する機能を持つMinEは、細胞内で局在がオシレートする。 | Fu et al. (2001) Hale et al. (2001) |
5月2日 | 依光 朋宏 | Rer1は小胞輸送においてpetrograde輸送に関与する。4回膜貫通タンパク質Rer1がSec12の膜貫通領域と相互査証することで、Sec12をゴルジ体からERに輸送することを可能にする。 | Sato K, et al.(2001) Sato K. et al. (1997) Nishikawa S, & Nakano A.(1993) |
5月8日 | 浅井友香子 | 植物の葉に置いて、気孔の開閉にはCa++指示剤としてoscillationが必要。カメレオンを用いて、Arabidopsisの孔辺細胞のCa++濃度を測定した。V-ATPaseの変異体であるdet3では、WTで見られるCa++刺激によるCa++濃度のoscillationがなくなる。 | Allen GJ et al.(1999) Allen GJ et al.(2000) Schroeder JI et al.(2001) |
5月15日 | 塩見 大輔 | RRを持つシグナル配列を含むTorAは、Sec一般分泌系とは異なるTAT分泌系でペリプラズムに分泌される。 | Santini CL et al.(1998) Cristobal S et al.(1999) Berks BC et al.(2000) |
5月22日 | 岡部真裕子 | Prion〜伝達するタンパク質の構造変化: β-sheet構造のPrPはロッド状に集合し、この構造変化が病気の開始となる。そして、他分子に影響されない固定された状況でもPrPは自発的に構造変化する。 | Kaneko K et al.(2000) Leclerc E et al.(2001) |
5月29日 | 加藤 実穂 坂野 聡美 | Tarはマルトースとアスパラギン酸に対するレセプターである。本論文では、TarへのMBP(マルトース結合タンパク質)とAspの結合部位を検索する。 | Gardina P, et al.(1992) Zhang Y, et al.(1999) |
6月4日 | 市川絵美子 | SecAと相互作用すると推定されるSecYの細胞質C5 部分(Ser349〜Tyr365)を変異導入し、Arg357が特に重要であることを示した。 | Mori H, & Ito K.(2001) |
6月12日 | 小嶋 勝 | 単頭ヘッドキネシンモーター(KIF1A)の機能構造:結晶解析から単頭による運動機構を推測する。 | Okada Y, & Hirokawa N.(1999) Kikkawa M, et al.(2001) |
6月19日 | 坂本 博史 | 炭疽病の病原性因子に対するドミナントネガティブを使った新しい治療法?:PA(protective autigen)の変異体を用いて- | Sellman BR, et.al.(2001) Olsnes, S., & Wesche, J.(2001) |
6月26日 | 本間 幹啓 | カウロバクター菌のべん毛運動や細胞分裂に対するシグナル伝達応答制御:PleC, DivJ の細胞における局在化がDicKの活性を制御しているらしい。 | Jacobs C, et al.(2001) Jensen RB, & Shapiro L.(2000) |
9月4日 | 本間 道夫 | - F1F0-ATPaseのεサブユニットの構造変化と機能制御 - 牛・大腸菌でγとεの複合体の構造が解かれ、大きな構造変化が予想された。ATP分解の方向に回転する場合のみ、εの構造変化が機能に阻害的に働くらしいことが分かった。 | Gibbons C. et. al.(2000) Rodgers AJ, & Wilce MC.(2000) Tsunoda SP. et al (2001) |
9月11日 | 川岸 郁朗 | metasbotropicグルタミン酸レセプターのリガンド結合部位の構造解析から、ダイマー間のLB2ドメインの大きな相対的位置の変化がシグナル状態を決定していると予想。 | Okamoto T. et al(1998) Tsuji Y. et al(2000) Kunishima N. et al(2000) |
9月18日 | 薬師 寿治 | Streptococcusのラクトース輸送に関与するLacSを単離し、ダイマーで膜に安定して存在することを示した。また、ダイマーが機能単位であるらしいことも推測された。 | Veenhoff LM. et al(2001) Friesen RH. et al (2000) |
9月25日 | 依光 朋宏 | Membrane-type matrix metalloproteinase(MT-MMP) がMMP2を活性化することがガン化に関与する。 | Itoh Y. et al (2001) Sato H. et al (1994) |
10月16日 | 塩見 大輔 | VirGは極近傍で合成されて、局在するらしい?そのシグナルはVirGの配列の二カ所に分かれて存在するらしい? | Charles M. et al(2001) Steinhauer J. et al(1999) |
10月23日 | 岡部真裕子 | ミトコンドリアの膜輸(apocytochrome c の場合):プレ配列のないapocytochrome cでもTOM complex を輸送に必要とする。しかし、TOMの穴を通ってはいないらしい。 | Kranz R. et al (1998) Diekert K. et al (2001) |
10月30日 | 小嶋 勝 | 枯草菌バクテリオファージφ29のDNAパッケージする時の力を一分子で測定する。 | Smith DE. et al (2001) Hendrix RW. (1998) |
11月 6日 | 坂本 博史 | 細胞の形に関与する遺伝子mreのなかでmreBはバクテリアの細胞骨格となることが分かった。MreBは真核生物のアクチンのホモログであると予測され、実際にMerBはアクチン様フィラメントを作る。 | Erickson H.P. (2001) van den Ent F. et al(2001) Jones L.J. et al(2001) |
11月13日 | 本間 幹啓 | バクテリアの浸透圧感受機構:ヒスチジンキナーゼであるKdpDがイオン強度により、まさにK+イオンによって負に制御されているらしい。だが、どの部分でイオンを感知しているかは、まだ不明である。一方、EnvZはK+イオンによって活性化される。 | Jung K. et al (2001) Jung K. et al (2000) |
11月20日 | 坂野 聡美 | 植物のtwo-component system : サイトカインシグナル伝達経路におけるヒスチジンキナーゼ(CKI1)とサイトカインレセプター(CRE1)の同定 | Inoue T. et al(2001) Kakimoto T.(1996) |
12月 4日 | 加藤 実穂 | 黄色ブドウ球菌の環境応答と毒素産生:レセプターヒスチジンキナーゼ AgrC について | Lyon G.J. et al (2000) Mayville P. et al (1999) Bassler B.L. (1999) |
12月 11日 | 市川絵美子 | TonBの構造変化とプロトン駆動力:プロテアーゼ切断により構造変化を推測する。 | Larsen R.A. et al (1999) Cascales E. et al (2001) |